国税庁を名乗り、「過年度の所得税に還付対象となる可能性があります」という件名で、所得税の還付について案内する不審なメールが確認されています。
メールには、過去に納め過ぎた所得税が還付対象となる可能性があると記載されており、年途中の退職や医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除などが例として挙げられています。
さらに、還付を受け取るには期限があると説明し、Android版の「e-Taxアプリ」をダウンロードするよう誘導しています。
しかし、メールの送信元は国税庁の公式ドメインではなく、リンク先もe-Taxの公式サイトではありません。
また、Android向けの旧「e-Taxアプリ」は2021年1月4日にサービスを終了しています。2026年9月30日時点で、スマートフォン用e-Taxアプリは提供されていないとフィッシング対策協議会も注意喚起しています。
今回のメールは、国税庁やe-Taxを装い、不正なアプリのインストールへ誘導するフィッシングメールと考えられます。メール内のリンクはクリックせず、アプリをダウンロードしないようにしてください。
確認されている詐欺メールの内容
今回確認したメールの情報は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 送信元表示名 | 国税庁(不自然な不可視文字・空白あり) |
| 送信元メールアドレス | debt@debt[.]pgseed[.]com |
| 件名 | 【ご確認ください】過年度の所得税に還付対象となる可能性があります |
| リンクの表示名 | Android版 e-Tax アプリをダウンロード |
| リンク先URL | hxxps://pgseed[.]com/w/cpczv |
※送信元メールアドレスとURLは、誤ってアクセスしないよう一部を加工しています。
メール本文の内容
メールでは、過年度に納め過ぎた所得税があり、還付対象となる可能性があると説明しています。
対象となる例として、以下のようなものが挙げられています。
- 年途中の退職
- 医療費控除
- ふるさと納税
- 住宅ローン控除
そして、還付を受け取るには期限があり、期限を過ぎると還付の権利が失効すると案内しています。
そのうえで、e-Taxアプリを持っている人はメッセージボックスから手続きを行い、アプリを持っていない人はメール内のリンクからAndroid版e-Taxアプリをインストールするよう求めています。
一見すると、税金の還付に関する正式な案内のように見えるかもしれません。
しかし、送信元やリンク先が公式のものではなく、現在提供されていないAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促している点が非常に不審です。
Android版e-Taxアプリはすでにサービスを終了している
今回のメールで特に注意したいのが、「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」という案内です。
e-Taxの公式サイトによると、Android向けの旧「e-Taxアプリ」は、2021年1月4日をもってサービスを終了しています。
サービス終了後は、アプリを起動してもサービス終了を通知する画面が表示され、アプリの機能は利用できません。
また、フィッシング対策協議会は2026年9月30日付の注意喚起で、同日時点ではスマートフォン用e-Taxアプリは提供されていないと説明しています。
そのため、今回のメールに記載された「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」という案内は、公式サービスの状況と一致していません。
メール内のリンクからアプリをインストールすると、不正なアプリによって個人情報や端末内の情報を盗まれるなどの被害につながるおそれがあります。
国税庁やe-Taxを名乗るメールであっても、アプリのダウンロードを促すリンクにはアクセスしないでください。
参考:
送信元メールアドレスが国税庁の公式ドメインではない
今回のメールの送信元は、以下のメールアドレスです。
debt@debt[.]pgseed[.]com
メールの表示名には「国税庁」と記載されていますが、実際の送信元メールアドレスのドメインは
国税庁やe-Taxの公式ドメインとは異なります。
メールの表示名は自由に設定できるため、「国税庁」と表示されていても、実際に国税庁から送信されたメールであるとは限りません。
また、送信元メールアドレスも偽装される場合があります。表示名だけでなく、送信元のドメインやメール本文、リンク先などを確認することが大切です。
リンク先URLは国税庁やe-Taxの公式サイトではない
メール内の「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」という部分には、以下のリンクが設定されています。
hxxps://pgseed[.]com/w/cpczv
このURLの接続先ドメインは pgseed.com です。
国税庁の公式サイトは nta.go.jp、e-Taxの公式サイトは e-tax.nta.go.jp であり、今回のリンク先とは異なります。
URLの末尾に文字列が付いていても、公式サイトであることの証明にはなりません。
今回のメールでは、国税庁とは無関係とみられるドメインから、e-Taxアプリのダウンロードを促しています。
リンク先で不正なアプリのインストールや個人情報の入力を求められる可能性があるため、アクセスしないでください。
還付金を口実にしたフィッシングメールに注意
今回のメールは、過年度の所得税が還付対象になる可能性があると伝え、利用者の関心を引く内容になっています。
所得税の還付そのものは実際に存在する制度であり、確定申告などによって納め過ぎた税金が戻ってくる場合があります。
しかし、還付制度が実在することと、今回のメールが本物であることは別の問題です。
今回のメールには、次のような不審な点があります。
- 国税庁の公式ドメインとは異なるメールアドレスから送信されている
- 過年度の所得税が還付対象になる可能性があると案内している
- 還付を受け取るための期限があると説明している
- Android版e-Taxアプリのダウンロードを促している
- 国税庁やe-Taxの公式サイトではないドメインへ誘導している
特に、還付金を受け取れるという期待を持たせたうえで、不正なアプリのインストールへ誘導している点に注意が必要です。
国税庁も不審なメールについて注意喚起している
国税庁やe-Taxを装った不審なメールについては、国税庁やフィッシング対策協議会も注意を呼びかけています。
フィッシング対策協議会は2026年9月30日、国税庁をかたり、Androidスマートフォン用の不正アプリのインストールへ誘導するフィッシングメールが確認されていると発表しました。
注意喚起では、控除による還付や税務署からの通知、メッセージボックスの確認依頼など、さまざまな文面が確認されていると説明しています。
今回のように還付金を口実にして、Android版e-Taxアプリのインストールを促すメールは、こうしたフィッシングの手口と共通しています。
また、e-Taxの公式サイトでは、正規の「税務署からのお知らせ」等のメールについて、送信されるメールの種類や文面を案内しています。
e-Taxから送信するメールは、原則としてメール本文内にURLを記載していません。
不審なメールを受信した場合は、メール内のリンクを利用せず、登録済みの環境からe-Taxにログインしてメッセージボックスを確認してください。
参考:
- フィッシング対策協議会:国税庁をかたり不正アプリのインストールへ誘導するフィッシングメール(2026年9月30日)
- e-Tax:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
- 国税庁:不審なメールや電話にご注意ください
不審なメールを受信した場合の対処法
今回のようなメールを受信しても、記載されたリンクをクリックしたり、アプリをダウンロードしたりする必要はありません。
次の点に注意してください。
- メール内のリンクをクリックしない
- アプリやファイルをダウンロードしない
- 氏名、住所、電話番号などの個人情報を入力しない
- 銀行口座の情報や暗証番号を入力しない
- マイナンバーやログイン情報を入力しない
- メールに返信しない
- 不審なメールは削除する
還付金の状況を確認したい場合は、メール内のリンクを利用せず、e-Taxの公式サイトを自分で開いて確認してください。
すでにe-Taxを利用している場合は、普段利用している端末や登録済みの環境からログインし、メッセージボックスを確認するようにしましょう。
偽アプリをインストールした場合の対処法
万が一、メール内のリンクからアプリをダウンロード・インストールしてしまった場合は、速やかに対処してください。
まず、アプリの利用を中止し、入力した情報や端末の状態を確認しましょう。
- 不審なアプリを起動・操作しない
- アプリに付与した権限や設定を確認する
- 不審なアプリを削除する
- e-Taxやマイナポータルなどのログイン情報を入力した場合は、公式サイトからパスワードを変更する
- 銀行口座情報や暗証番号を入力した場合は、金融機関へ速やかに連絡する
- 不審な動作が続く場合は、携帯電話会社や端末メーカー、セキュリティ事業者などに相談する
不正なアプリをインストールした場合、アンインストールするだけでは被害を防げないこともあります。
アプリに付与した権限や入力した情報によって必要な対応が異なるため、不安がある場合は警察や専門窓口にも相談してください。
まとめ
今回確認した「【国税庁】過年度の所得税に還付対象となる可能性があります」というメールは、国税庁やe-Taxを装ったフィッシングメールと考えられます。
メールには、過年度の所得税が還付対象になる可能性があると記載され、還付を受け取るためにAndroid版e-Taxアプリをダウンロードするよう促しています。
しかし、送信元メールアドレスは国税庁の公式ドメインとは異なり、リンク先も公式サイトではありません。
さらに、Android向けの旧e-Taxアプリは2021年1月4日にサービスを終了しています。
国税庁やe-Taxを名乗るメールであっても、記載されたリンクからアプリをダウンロードしたり、個人情報や口座情報を入力したりしないでください。
還付金の状況や税務署からのお知らせを確認する場合は、メール内のリンクを利用せず、e-Taxの公式サイトから確認しましょう。
よくある質問
- Q「【国税庁】過年度の所得税に還付対象となる可能性があります」は本物ですか?
- A
国税庁やe-Taxを装ったフィッシングメールと考えられます。
送信元メールアドレスが公式ドメインと異なり、公式サービスとして提供されていないAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促しているため、リンクをクリックしないでください。
- Q過年度の所得税が還付されることはありますか?
- A
確定申告などによって、過去に納め過ぎた所得税が還付される場合はあります。
ただし、今回のメールが本物であることを意味するものではありません。還付金の有無や手続きについて確認したい場合は、メール内のリンクを利用せず、税務署やe-Taxの公式サイトで確認してください。
- QAndroid版e-Taxアプリは現在も利用できますか?
- A
Android向けの旧「e-Taxアプリ」は、2021年1月4日にサービスを終了しています。
2026年9月30日時点で、スマートフォン用e-Taxアプリは提供されていないとフィッシング対策協議会も案内しています。
今回のメールに記載されたリンクからアプリをダウンロードしないでください。
- Qメール内のリンクをクリックしてしまった場合はどうすればよいですか?
- A
リンクをクリックしただけで、個人情報やログイン情報などを入力していない場合は、ページを閉じてください。
ファイルがダウンロードされていないか、不審なアプリのインストールや通知の許可を行っていないかも確認しましょう。
アプリをインストールした場合や個人情報を入力した場合は、入力した情報や端末の状況に応じて、パスワードの変更や金融機関への連絡などを速やかに行ってください。
- Q国税庁から還付金についてメールが届くことはありますか?
- A
e-Taxでは、メールアドレスを登録している利用者に対し、メッセージボックスにお知らせが格納された場合などにメールを送信しています。
ただし、e-Taxから送信される正規のメールには一定のパターンがあり、原則としてメール本文内にURLは記載されていません。
不審なメールが届いた場合は、メール内のリンクを開かず、登録済みの環境からe-Taxにログインして確認してください。
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参照・出典
- フィッシング対策協議会:国税庁をかたり不正アプリのインストールへ誘導するフィッシングメール(2026年9月30日)
- e-Tax:Android向けアプリ「e-Taxアプリ」サービス終了のお知らせ
- e-Tax:e-Taxアプリについて
- e-Tax:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
- 国税庁:不審なメールや電話にご注意ください
免責事項
本記事は、確認された不審メールの情報や公的機関が公表している注意喚起をもとに、フィッシング詐欺への注意を促すことを目的として作成しています。
メールの内容やリンク先、送信元情報は、今後変更される可能性があります。また、リンク先の実際の挙動や配布されるファイルの詳細について、すべての情報を確認できているわけではありません。
不審なメールを受信した場合は、記載されたリンクにアクセスせず、国税庁やe-Taxの公式サイトで最新情報をご確認ください。
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