国税庁を名乗り、「納め過ぎの税金が確認されました」として所得税の還付を案内する不審なメールが確認されました。
メールには、過去に納め過ぎた所得税について還付申告ができると説明され、手続き方法として「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」というリンクが設置されています。
しかし、メールの送信元は国税庁の公式ドメインとは異なり、リンク先も公式サイトではありません。さらに、案内されているAndroid向け「e-Taxアプリ」は、すでにサービスを終了しています。
このようなメールに記載されたリンクは開かず、還付手続きは国税庁・e-Taxの公式サイトから確認してください。
届いたメールの内容
今回確認したメールの情報は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 差出人名 | 国税庁 |
| 送信元メールアドレス | form-eTax@stock.txfcx[.]com |
| 件名 | 【国税庁】納め過ぎの税金が確認されました — 還付のご案内 |
| リンク先ドメイン | txfcx.com |
| メールの内容 | 所得税の還付を案内し、Android版e-Taxアプリのダウンロードへ誘導 |
※メールアドレスや件名は、確認したメールの内容に基づいています。
メール本文では所得税の還付を案内
本文では、過去に納め過ぎた可能性のある所得税について案内し、e-Taxから還付申告ができると説明しています。
さらに、還付申告の例として、次のようなケースを挙げています。
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合
- 医療費が一定額を超えた場合
- ふるさと納税を行った場合
- 住宅ローンを組んで住宅を取得した場合
これらは実際の還付申告や所得控除に関係する内容です。そのため、税金に詳しくない人が読むと、本物の案内メールだと思ってしまう可能性があります。
しかし、本文に正しい税制情報が含まれていることと、メール自体が本物であることは別問題です。
メールに記載されたリンクを信用せず、送信元やリンク先を含めて慎重に確認する必要があります。
不審な点① 送信元メールアドレスが公式ドメインと異なる
今回の送信元メールアドレスは、次のとおりです。
form-eTax@stock.txfcx[.]com
e-Taxの公式案内によると、「税務署からのお知らせ」などのメールの送信元表記は、次のとおりです。
e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>
今回のメールに記載された stock.txfcx[.]com は、公式案内に掲載されている送信元ドメインとは異なります。
差出人名に「国税庁」と表示されていても、それだけで本物とは判断できません。差出人名は偽装される可能性があるため、メールアドレスも確認することが大切です。
参考:e-Tax公式サイト:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
不審な点② 終了済みのAndroid版e-Taxアプリを案内している
今回のメールで特に注意したいのが、次の案内です。
Android版 e-Tax アプリをダウンロード
メールでは、アプリを持っていない人に対して、早めにインストールするよう促しています。
しかし、国税庁のe-Tax公式サイトによると、Android向け「e-Taxアプリ」は2021年1月4日をもってサービスを終了しています。
サービス終了後はアプリの機能を利用できないことも、公式に案内されています。
参考:e-Tax公式サイト:Android向けアプリ「e-Taxアプリ」サービス終了のお知らせ
すでにサービスを終了したアプリのダウンロードを案内している点は、今回のメールを疑う重要な材料です。
ただし、アプリの案内が不自然であることだけで、リンク先の具体的な動作まで断定することはできません。リンク先の安全性が確認できていない以上、アクセスしないことが重要です。
不審な点③ リンク先が国税庁・e-Taxの公式ドメインではない
今回のメールには、次のリンクが設置されています。
- リンクの表示:Android版 e-Tax アプリをダウンロード
- リンク先URL:
https://txfcx.com/l/zdkg
リンクの表示には「e-Tax」などと書かれていますが、実際のリンク先は txfcx.com です。
リンクに表示された文字と、実際に接続するURLは同じとは限りません。
メール本文に国税庁やe-Taxの名前が書かれていても、リンク先が公式サイトである保証はありません。
今回のURLについては、公式のダウンロードページであることを確認できていません。アクセスやアプリのインストールは避けてください。
不審な点④ 本文に多数の不可視文字が含まれている
今回のメール本文には、通常の画面表示では気づきにくい不可視文字が多数含まれています。
例えば、次のような単語です。
国税庁還付e-TaxAndroid
見た目は通常の日本語や英語に見えますが、文字と文字の間に目に見えない特殊な文字が挿入されています。
こうした文字は、コピーした文章の検索や文字列の一致を妨げる場合があります。今回のメールでも、本文の各所にこのような文字が確認できます。
ただし、不可視文字が含まれていることだけで、フィッシングメールだと断定できるわけではありません。送信元アドレス、リンク先、アプリの案内など、複数の不審な点を合わせて判断することが重要です。
e-Taxからの正規メールはどう確認すればよい?
e-Tax公式サイトでは、登録したメールアドレスに対し、メッセージボックスに情報が格納されたことなどを知らせるメールを送信すると説明しています。
一方、e-Taxから送信されるメールは所定のパターンに限られ、原則としてメール本文にURLを記載していないと案内されています。メールアドレスや宛名などの登録情報を更新した場合には、例外としてワンタイムURLを付したメールが送信されることがあります。
そのため、今回のように、還付を案内しながら外部ドメインのアプリダウンロードリンクへ誘導するメールは、慎重に扱うべきです。
不審なメールを受け取った場合は、メール内のリンクからではなく、公式サイトを自分で開いて確認しましょう。
参考:e-Tax公式サイト:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
このようなメールを受け取った場合の対処法
今回のようなメールを受信した場合は、次の点に注意してください。
- メール内のリンクを開かない
- リンク先からアプリをダウンロード・インストールしない
- 氏名、住所、マイナンバー、口座情報、ログイン情報などを入力しない
- 還付の有無は、国税庁・e-Taxの公式サイトから確認する
- 不審なメールは、返信せず、必要に応じて迷惑メールとして報告する
すでにリンクを開いてしまった場合でも、情報を入力したりアプリをインストールしたりしていなければ、まずはそれ以上操作を進めないでください。
ログイン情報や個人情報を入力した場合、あるいはアプリをインストールした場合は、入力・実行した内容に応じて、パスワードの変更や端末の安全確認などを検討してください。
まとめ
今回確認した「【国税庁】納め過ぎの税金が確認されました — 還付のご案内」というメールには、複数の不審な点があります。
- 送信元メールアドレスがe-Taxの公式案内に記載されたドメインと異なる
- 「Android版 e-Tax アプリ」のダウンロードを案内しているが、同アプリは2021年1月4日にサービスを終了している
- リンク先が国税庁・e-Taxの公式ドメインではない
- 本文に多数の不可視文字が含まれている
これらの点から、国税庁を装ったフィッシングメールである可能性が非常に高いと考えられます。
還付金の案内に心当たりがあっても、メール内のリンクから手続きを進めないでください。還付や申告に関する情報は、国税庁・e-Taxの公式サイトから確認しましょう。
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参考・出典
※本記事は、受信したメールの内容と公表されている公式情報をもとに、不審な点を解説するものです。リンク先の具体的な動作や運営者について、独自に確認できていない事項は断定していません。税務手続きについては、国税庁・e-Taxの公式情報をご確認ください。
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