税務署を名乗り、「還付金の受取期限が迫っています」「期限を過ぎると還付金を受け取れなくなります」などと案内する不審なメールが確認されています。
今回確認されたメールは、所得税の還付金を受け取る期限が近づいていると説明し、受取期限を過ぎると還付金が国庫に返納され、受け取る権利が失効すると案内する内容です。
さらに、還付金を受け取るための手続きとして、メール内のリンクからAndroid版e-Taxアプリをダウンロードするよう誘導しています。
しかし、送信元のメールアドレスは国税庁やe-Taxの公式ドメインとは異なり、Fromの表示名も具体的な税務署名ではなく「税務署」とだけ記載されています。
また、Android版e-Taxアプリはすでにサービスを終了しています。
このようなメールは、偽サイトや不正なアプリのインストールに誘導するフィッシング詐欺の可能性があるため、注意が必要です。
この記事では、実際に確認されたメールの内容や不審なポイント、正規のe-Taxメールとの違い、還付金の確認方法、不審なアプリをインストールしてしまった場合の対処法について解説します。
確認された税務署を名乗る不審メールの概要
今回確認されたメールの概要は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| From表示名 | 税務署 |
| 送信元メールアドレス | shine[at]shine[.]kuanmpay[.]com |
| 件名 | 【至急】還付金の受取期限が迫っています — 至急ご確認ください |
| 偽装している組織 | 税務署・国税庁・e-Tax |
| メールの内容 | 所得税の還付金の受取期限が迫っていると案内 |
| 誘導先 | Android版e-Taxアプリのダウンロードを促す外部サイト |
※安全のため、送信元メールアドレスや不審なリンク先は一部を加工して掲載しています。
実際に届いたメールの内容
今回確認されたメールでは、所得税の還付金について、受取期限が迫っていると案内しています。
メール本文では、期限までに還付金を受け取らなかった場合、還付金が国庫に返納され、受け取る権利が失効するかのように説明しています。
また、期限を過ぎた場合には、税務署に「更正の請求」を行う必要があり、手続きに1~2か月程度かかると案内しています。
さらに、還付金の受取手続きを進めるためとして、メッセージボックスの確認やAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促しています。
メール内には「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」というリンクが設置されており、外部サイトへ誘導する仕組みになっています。
不審なリンク先
hxxps://kuanmpay[.]com/link/coxti/go
このリンクは国税庁やe-Taxの公式サイトではありません。アクセスしたり、アプリをダウンロードしたりしないでください。
このメールが詐欺と疑われる理由
今回のメールには、正規の税務署やe-Taxからの案内とは考えにくい不審な点が複数あります。
Fromの表示名が「税務署」だけで具体的な名称がない
今回のメールでは、Fromの表示名が「税務署」となっています。
税務署は国税庁の下部組織ですが、全国に複数存在しており、それぞれ「〇〇税務署」という個別の名称があります。
通常、税務署からの連絡であれば、どこの税務署からの案内なのかが分かるように、具体的な税務署名が記載されることが考えられます。
しかし、今回のメールでは「税務署」とだけ表示されており、どこの税務署から送信された連絡なのか特定できません。
もちろん、Fromの表示名だけで詐欺と断定することはできませんが、送信元を具体的に示していない点は不審な特徴の一つです。
送信元メールアドレスが公式ドメインではない
今回の送信元メールアドレスは、以下のとおりです。
shine[at]shine[.]kuanmpay[.]com
国税庁やe-Taxの公式サイトとは異なるドメインが使用されています。
e-Taxが案内している正規メールの送信元は、公式情報では次のように示されています。
info@e-tax.nta.go.jp
ただし、メールの表示名や送信元アドレスは偽装される可能性もあるため、アドレスだけで真偽を判断するのは危険です。
今回のように、公式とは無関係に見えるドメインから送信され、外部サイトへ誘導しているメールには注意してください。
Android版e-Taxアプリはすでにサービスを終了している
今回のメールで特に注意したいのが、Android版e-Taxアプリのダウンロードを促している点です。
国税庁の公式サイトによると、Android版e-Taxアプリは2021年1月4日をもってサービスを終了しています。
つまり、2026年に届いたメールでAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促していること自体が、非常に不自然です。
正規の手続きであるかのように見せかけて、偽アプリや不正なプログラムをインストールさせようとしている可能性があります。
メール内のリンクからアプリをダウンロードしないでください。
還付金の受取期限を強調して不安をあおっている
今回のメールでは、「還付金の受取期限が迫っている」と強調し、期限を過ぎると還付金を受け取る権利が失効するかのように説明しています。
このように、期限や金銭的な損失を強調して、受信者に冷静な判断をさせずに操作を急がせる手口は、フィッシング詐欺でよく見られます。
メールに書かれている説明をそのまま信用せず、還付金の状況は必ず公式サイトから確認してください。
外部サイトからアプリのダウンロードへ誘導している
今回のメールでは、還付金の受取手続きとして、外部サイトからAndroid版e-Taxアプリをダウンロードするよう案内しています。
しかし、国税庁やe-Tax・Google playの公式サイトとは異なるドメインへ誘導されているため、正規の手続きとは考えず、慎重に対応する必要があります。
偽サイトで個人情報やログイン情報を入力させたり、不正なアプリをインストールさせたりする可能性も考えられます。
正規のe-Taxメールとの違い
国税庁の公式案内によると、e-Taxでは、メッセージボックスに新しいお知らせが格納された場合などに、登録されたメールアドレス宛てに通知メールを送信することがあります。
正規のe-Taxメールについては、送信元や本文の形式などが公式サイトで案内されています。
主な確認ポイントは以下のとおりです。
| 確認項目 | 正規の案内で確認できる特徴 | 今回の不審メール |
|---|---|---|
| 送信元 | info@e-tax.nta.go.jp など公式案内に記載された送信元 | 公式とは異なるドメイン |
| From表示名 | e-Taxの正式な表示名 | 税務署 |
| 本文のURL | 原則として本文にURLを記載しない形式 | 外部サイトへのリンクあり |
| アプリ案内 | 公式に提供されているサービスを確認する必要がある | 終了済みのAndroid版アプリを案内 |
| 内容 | メッセージボックスの確認を促す通知など | 還付金の期限切れを強調し、アプリのダウンロードを要求 |
なお、メールの表示名や送信元アドレスは偽装される可能性があります。表の項目だけで判断せず、必ず公式サイトから確認してください。
還付金の状況を確認する方法
所得税の還付金について確認したい場合は、メール内のリンクを使わず、国税庁の公式サイトからe-Taxにアクセスしてください。
e-Taxで申告した場合、e-Taxソフト(WEB版)のマイページから還付金の処理状況を確認できます。
国税庁の案内では、e-Taxで申告した場合は申告からおおむね2週間程度、書面で申告した場合はおおむね1か月程度で処理状況を確認できるとされています。
実際の処理期間は申告内容や時期などによって異なるため、目安として確認してください。
還付金の処理状況を確認する公式ページ
不明な点がある場合は、メールに記載された連絡先ではなく、国税庁や管轄税務署の公式サイトで確認した連絡先へ問い合わせましょう。
不審なメールを受信した場合の対処法
今回のようなメールを受信しても、慌てて操作する必要はありません。
以下の点に注意してください。
- メール内のURLをクリックしない
- Android版e-Taxアプリをダウンロードしない
- メールに返信しない
- メールに記載された電話番号や連絡先へ連絡しない
- 氏名、住所、電話番号、マイナンバーなどを入力しない
- e-Taxのログイン情報や金融機関の情報を入力しない
- メールを迷惑メールとして報告し、削除する
還付金に関する連絡が本当に届いているか確認したい場合は、ブラウザから国税庁・e-Taxの公式サイトを開き、正規の方法でログインしてください。
不審なリンクをクリックした・アプリをインストールした場合
リンクをクリックしただけの場合
リンクをクリックしただけで、直ちに被害が発生するとは限りません。
ただし、偽サイトで個人情報やログイン情報を入力していないか、不審なファイルがダウンロードされていないか確認してください。
不審なアプリやファイルがダウンロードされていた場合は、実行・インストールしないでください。
不審なアプリをインストールした場合
メール内のリンクからアプリをインストールしてしまった場合は、次の対応を検討してください。
- アプリの使用を中止する
- アプリに付与した権限を確認する
- 不審なアプリを削除する
- セキュリティ対策ソフトなどで端末を確認する
- 必要に応じて通信を切断し、専門窓口へ相談する
不審なアプリに入力したIDやパスワードがある場合は、安全な端末からパスワードを変更してください。
金融機関の情報やカード情報を入力した場合は、速やかに金融機関やカード会社へ連絡しましょう。
個人情報やマイナンバーを入力した場合
偽サイトに氏名、住所、電話番号、マイナンバーなどを入力してしまった場合は、入力した情報の種類に応じて関係機関へ相談してください。
税務署や国税庁を名乗る連絡であっても、メール内の連絡先を使わず、公式サイトに掲載されている窓口を利用しましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q税務署から「還付金の受取期限が迫っている」というメールが届くことはありますか?
- A
e-Taxでは、メッセージボックスにお知らせが格納されたことを通知するメールが送信される場合があります。
ただし、今回のように外部サイトへ誘導し、サービス終了済みのAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促すメールは不審です。
メール内の案内を信用せず、公式サイトから確認してください。
- QFromが「税務署」なら本物ですか?
- A
いいえ。Fromの表示名は送信者側で設定できるため、「税務署」と表示されていても本物とは限りません。
また、今回のメールでは具体的な税務署名が記載されておらず、どこの税務署からの連絡なのか特定できません。
送信元アドレスやリンク先も含めて慎重に確認してください。
- Q還付金の受取期限を過ぎると、必ず受け取れなくなりますか?
- A
今回のメールに記載された「期限を過ぎると還付金が国庫に返納され、受け取る権利が失効する」という説明を、そのまま信用しないでください。
還付金の状況や手続きについては、個別の申告内容などによって異なるため、e-Taxの公式サイトや税務署で確認することが大切です。
- QAndroid版e-Taxアプリは現在も利用できますか?
- A
国税庁の公式サイトによると、Android版e-Taxアプリは2021年1月4日にサービスを終了しています。
そのため、今回のようにAndroid版アプリのダウンロードを促すメールには注意してください。
- Qメール内のリンクをクリックしてしまいました。どうすればよいですか?
- A
リンクをクリックしただけであれば、必ずしも被害が発生したとは限りません。
ただし、個人情報やログイン情報を入力した場合、不審なアプリをインストールした場合は、速やかにパスワード変更や端末の確認などを行ってください。
- Q本当に税務署から連絡が来ているか確認するには?
- A
メール内のリンクや連絡先は利用せず、国税庁の公式サイトから管轄税務署の連絡先を確認してください。
e-Taxを利用している場合は、公式サイトからログインし、メッセージボックスや還付金の処理状況を確認しましょう。
まとめ:税務署を名乗る還付金メールのリンクやアプリは利用しない
今回確認されたメールは、Fromの表示名を「税務署」とし、所得税の還付金の受取期限が迫っていると案内する不審なメールです。
具体的な税務署名が記載されていないことに加え、送信元メールアドレスが公式ドメインとは異なり、外部サイトからAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促している点にも注意が必要です。
特に、Android版e-Taxアプリは2021年1月4日にサービスを終了しているため、2026年にダウンロードを案内する内容は不自然です。
還付金の受取期限や手続きについて不安を感じても、メール内のリンクをクリックしたり、アプリをインストールしたりしないでください。
還付金の状況は、国税庁・e-Taxの公式サイトから確認しましょう。
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参考情報・公式サイト
- 国税庁:不審なメールや電話にご注意ください
- e-Tax:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
- e-Tax:Android版e-Taxアプリ
- e-Tax:還付金の処理状況確認について
- フィッシング対策協議会:国税庁をかたり不正アプリのインストールへ誘導するフィッシングメール
- 国民生活センター:税務署や国税庁をかたる不審な連絡に関する注意喚起
免責事項
本記事は、確認された不審メールの内容と公的機関が公表している情報をもとに、注意喚起を目的として作成しています。個別のメールの送信者や犯罪への関与を断定するものではありません。メールの内容や制度、サービスの状況は変更される場合があります。実際の還付金や税務手続きについては、国税庁・e-Taxの公式情報または管轄税務署で確認してください。
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