「【 重 要 】作成途中の申告データがあります」という件名で、国税庁を名乗るメールが届いた場合は注意してください。
今回確認したメールは、「確定申告書等作成コーナー」で作成途中の申告データが保存されていると説明し、内容の確認を促しています。さらに、Android版「e-Taxアプリ」のダウンロード先として、国税庁やe-Taxの公式ドメインではないURLを案内しています。
しかし、案内されているAndroid向け「e-Taxアプリ」は、2021年1月4日にサービスを終了しています。公式ではないサイトへ誘導していることも踏まえると、国税庁を装ったフィッシングメールの可能性が非常に高いと考えられます。
この記事では、実際に届いたメールの内容や不審な点、リンク先URL、受信した場合の対処方法を解説します。
国税庁を装った詐欺メールの件名
今回確認したメールの件名は、次のとおりです。
【 重 要 】作成途中の申告データがあります
メールの本文では、e-Taxのメッセージボックスに未読のお知らせがあると説明し、確定申告書等作成コーナーで保存された申告データがあると案内しています。
確定申告に関係する内容のため、実際に申告手続きを行った人は、本物の通知ではないかと気になるかもしれません。
しかし、件名や本文に「国税庁」「e-Tax」と書かれていても、それだけで正規のメールだとは判断できません。送信元の表示名は偽装される場合があるため、リンク先や案内内容を確認することが重要です。
実際に届いたメールの内容
今回のメールは、国税庁を名乗り、作成途中で送信が完了していない申告データがあると説明しています。
本文には、主に次のような内容が記載されています。
- e-Taxのメッセージボックスに未読のお知らせがある
- 確定申告書等作成コーナーに作成途中の申告データが保存されている
- 申告データには保存期限があると説明している
- 続きから作成する場合は、保存データを読み込むよう案内している
- Android版「e-Taxアプリ」のダウンロードを促している
保存データの期限や申告手続きに関する説明があるため、正規の案内のように感じるかもしれません。
しかし、今回のメールでは、申告データの確認を促す一方で、公式サイトではないドメインへ誘導し、サービス終了済みのアプリを案内しています。こうした不審な点を見逃さないようにしましょう。
メールに記載されたリンク先URLに注意
今回のメールでは、次のリンクからAndroid版「e-Taxアプリ」をダウンロードするよう案内されています。
メールに記載されたリンク先(無効化済み)
hxxps://wittranslation[.]com/yfjv/view
※安全のため、URLを無効化して掲載しています。クリックしたり、コピーしてアクセスしたりしないでください。
リンク先のドメインは wittranslation.com です。国税庁の公式ドメインである nta.go.jp や、e-Taxの公式ドメインである e-tax.nta.go.jp とは異なります。
国税庁を名乗るメールであっても、案内先が公式ドメインではない場合は、安易にアクセスしないでください。
特に、今回のようにアプリのダウンロードを促すメールでは、リンク先が本当に公式の配布元なのかを慎重に確認する必要があります。
このメールが詐欺と疑われる理由
国税庁・e-Taxの公式ドメインではないサイトへ誘導している
今回のメールで特に注意したいのは、Android版「e-Taxアプリ」のダウンロード先です。
案内されているURLは wittranslation.com であり、国税庁やe-Taxの公式ドメインではありません。
国税庁を名乗るメールから、関係性を確認できないサイトへ誘導された場合は、リンクを開かないことが大切です。
リンク先でアプリのインストールや個人情報の入力を求められても、指示に従わないでください。
サービス終了済みのAndroid版「e-Taxアプリ」を案内している
今回のメールでは、Android版「e-Taxアプリ」をダウンロードするよう案内しています。
しかし、e-Taxの公式サイトによると、Android向け「e-Taxアプリ」は2021年1月4日にサービスを終了しています。サービス終了後は、アプリの機能を利用できません。
公式情報はこちらです。
Android向けアプリ「e-Taxアプリ」サービス終了のお知らせ(e-Tax公式サイト)
サービス終了済みのアプリをダウンロードするよう案内していることに加え、ダウンロード先も公式ドメインではありません。この点は、今回のメールを信用してはいけない重要な理由です。
なお、終了したのは旧Android向け「e-Taxアプリ」です。e-Taxの電子申告・納税サービス全体が終了したわけではありません。
「申告データが保存されている」と説明して確認を促している
メールでは、確定申告書等作成コーナーに作成途中の申告データが保存されていると説明しています。
確定申告を行う人にとって、申告データの保存や提出状況は気になる情報です。こうした内容で関心を引き、メール内のリンクを開かせようとしている可能性があります。
ただし、確定申告書等作成コーナーで作成途中のデータを保存できること自体が、不審というわけではありません。問題なのは、今回のメールが公式ではないドメインへ誘導し、サービス終了済みのアプリを案内している点です。
申告データの状態が気になる場合は、メール内のリンクを利用せず、国税庁の公式サイトから確定申告書等作成コーナーへアクセスして確認しましょう。
メール本文に不可視文字が多数含まれている
今回提示されたメールには、通常の表示では分かりにくい不可視文字や、文字の間に挿入された不自然な文字が多数含まれています。
こうした文字は、機械的な文字列検出などのスパム対策を回避する目的などで悪用される場合があります。
ただし、不可視文字が含まれていることだけで詐欺と断定することはできません。今回の場合は、公式ではないドメインへの誘導や、サービス終了済みアプリのダウンロード案内など、ほかの不審な点と合わせて判断する必要があります。
国税庁・e-Taxの公式案内と比較
e-Taxの公式サイトでは、「税務署からのお知らせ」などのメールについて、送信元表記や定型文の例を掲載しています。
公式案内によると、e-Taxから送信されるメールの送信元表記は「e-Tax(国税電子申告・納税システム)」であり、原則としてメール本文にURLを記載していません。ただし、メールアドレスなどの登録情報を更新した場合のワンタイムURLなど、例外もあります。
また、国税庁は、国税庁や税務署を装った不審なメールへの注意を呼びかけています。
参考となる公式ページはこちらです。
- 「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ(e-Tax公式サイト)
- e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください(e-Tax公式サイト)
- 不審なメールや電話にご注意ください(国税庁公式サイト)
今回のメールは、申告データの保存を装って確認を促し、公式ではないドメインへ誘導したうえで、サービス終了済みのAndroid向けアプリを案内しています。こうした点から、安易に信用できる内容ではありません。
このメールを受信した場合の対処方法
今回のようなメールを受信しても、メール内のリンクはクリックしないでください。
- メール内のリンクを開かない
- アプリをダウンロード・インストールしない
- 氏名、住所、口座番号、マイナンバー、ログイン情報などを入力しない
- メールに返信しない
- 不審なメールは、必要に応じて迷惑メールとして報告し、削除する
作成途中の申告データが本当にあるか気になる場合は、メール内のリンクを使わず、国税庁の公式サイトから確定申告書等作成コーナーへアクセスしてください。
e-Taxのメッセージボックスを確認したい場合も、e-Tax公式サイトを自分で開き、正規の手順でログインしましょう。
リンクをクリックしてしまった場合は?
リンクを開いただけの場合
リンク先を開いただけで、情報を入力したり、アプリをインストールしたりしていない場合は、ページを閉じてください。
念のため、ファイルがダウンロードされていないか確認し、端末やブラウザーのセキュリティ機能を利用して安全性を確認しましょう。
アプリをダウンロード・インストールした場合
不審なサイトからアプリをダウンロード・インストールした場合は、アプリを起動したり、追加の権限を許可したりしないでください。
端末のセキュリティ機能で確認し、必要に応じて携帯電話会社や端末メーカーなどのサポートに相談してください。
個人情報やログイン情報を入力した場合
リンク先でログイン情報や個人情報を入力してしまった場合は、公式サイトから安全にアクセスし、必要なパスワード変更などを行ってください。
同じパスワードをほかのサービスでも使っている場合は、それらのパスワードも変更しましょう。口座情報やクレジットカード情報を入力した場合は、金融機関やカード会社にも速やかに相談してください。
まとめ:作成途中の申告データを装うメールに注意
今回の「【 重 要 】作成途中の申告データがあります」というメールは、国税庁を装ったフィッシングメールの可能性が非常に高い内容です。
特に注意したい点は、次のとおりです。
- 国税庁を名乗り、作成途中の申告データがあると説明している
- 公式ドメインではない
wittranslation.comへ誘導している - サービス終了済みのAndroid向け「e-Taxアプリ」のダウンロードを案内している
- メール本文に不可視文字が多数含まれている
国税庁やe-Taxを名乗るメールであっても、表示名や文面だけで本物と判断するのは危険です。
確定申告や申告データの保存に関する連絡を受け取った場合は、メール内のリンクを利用せず、必ず公式サイトから確認するようにしましょう。
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