「+9から始まる電話番号から着信があったけど、どこの国?」
スマートフォンに「+90」「+91」「+92」など、見慣れない「+9」から始まる電話番号が表示されると、海外からの電話なのか、迷惑電話や詐欺なのか気になる人も多いでしょう。
「+」から始まる電話番号は、国際電話番号として使われる形式です。先頭の数字には国や地域を識別するための「国番号」が含まれており、+9から始まる番号にもトルコ、インド、パキスタン、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)など、複数の国・地域が含まれます。
一方で、「+9から始まる=迷惑電話・詐欺」というわけではありません。
国際電話を使った特殊詐欺が増えているため、心当たりのない国際電話には注意が必要ですが、危険性を判断するときは「+9」という数字だけではなく、電話の内容や相手から求められた対応を見ることが重要です。
この記事では、+9から始まる主な国際電話番号の国番号、よく検索される番号の国、迷惑電話や詐欺電話だった場合の対処法について詳しく解説します。
+9から始まる電話番号はどこの国?
まず重要なのは、「+9(1桁)」は特定の国を表す国番号ではないということです。
国際電話番号では「+」の後に国番号が続きます。国番号は1~3桁で構成されるため、たとえば「+91」であればインド、「+92」であればパキスタン、「+971」であればアラブ首長国連邦を意味します。
つまり、「+9」という情報だけでは、どこの国からの電話なのかを特定できません。
たとえば、以下のような番号があります。
| 電話番号の先頭 | 国・地域 |
|---|---|
| +90 | トルコ |
| +91 | インド |
| +92 | パキスタン |
| +93 | アフガニスタン |
| +94 | スリランカ |
| +95 | ミャンマー |
| +98 | イラン |
| +971 | アラブ首長国連邦 |
| +972 | イスラエル |
| +974 | カタール |
| +966 | サウジアラビア |
このように、同じ「+9」から始まる電話番号でも、国番号によって発信元の国・地域が異なります。
なお、スマートフォンなどに表示された番号だけで、実際に電話をかけてきた人物や場所まで特定できるとは限りません。近年では電話番号を偽装して表示させる手口もあるため、番号だけで相手の身元を判断するのは避けましょう。
+90はトルコ
+90はトルコの国番号です。
そのため、「+90」から始まる電話番号は、番号上はトルコの国際電話に該当します。
トルコに知人や取引先がいる場合など、電話がかかってくる心当たりがあるのであれば、通常の国際電話である可能性もあります。
一方、トルコから電話が来る予定がないにもかかわらず突然着信した場合は、慌てて折り返す必要はありません。
特に、不在着信を残して折り返しを促すようなケースでは注意が必要です。
+91はインド
+91はインドの国番号です。
インドにはIT企業や海外拠点を持つ企業も多いため、仕事やサービスの利用状況によっては正当な国際電話がかかってくる可能性があります。
ただし、インドからの電話に心当たりがないのであれば、無理に応答したり折り返したりする必要はありません。
電話に出た場合でも、本人確認を理由に住所、氏名、口座情報、カード情報、認証コードなどを求められた場合は注意してください。
+92はパキスタン
+92はパキスタンの国番号です。
パキスタンから電話がかかってくる理由に心当たりがない場合は、基本的に折り返さず、着信履歴から番号を確認する程度にとどめるのが安全です。
特に、電話口で「料金が未払いになっている」「アカウントに問題がある」などと不安をあおり、送金や個人情報の提供を求める場合は警戒が必要です。
+93はアフガニスタン
+93はアフガニスタンの国番号です。
日本国内で生活していて、アフガニスタンから電話がかかってくる心当たりがない場合、知らない番号からの国際電話として慎重に対応したほうがよいでしょう。
重要なのは「+93だから危険」と判断することではありません。
心当たりのない電話であることや、相手がどのような用件を伝えてきたかを確認することが大切です。
+94はスリランカ
+94はスリランカの国番号です。
海外旅行や仕事、知人などとの関係がなければ、突然の+94からの着信に折り返す必要はありません。
電話に出てしまった場合も、相手の説明を聞いて不審に感じたら、その場で対応を続けずに電話を切りましょう。
+95はミャンマー
+95はミャンマーの国番号です。
「+95」から始まる番号を見て不安になった場合も、番号そのものだけで詐欺と判断する必要はありません。
ただし、海外からの知らない電話については、国民生活センターも「出ない」「折り返さない」などの対策を呼びかけています。
+98はイラン
+98はイランの国番号です。
日本国内でイランとの電話連絡に心当たりがない場合、突然の着信には注意しましょう。
特に、電話の相手から送金、電子マネー、暗号資産、銀行口座、クレジットカード情報などを要求された場合は、相手の指示に従わないことが重要です。
+9から始まるその他の主な国番号
+9から始まる国番号には、ここまで紹介した国以外にも多くの国・地域があります。
代表的なものをまとめると、以下のようになります。
| 国番号 | 国・地域 |
|---|---|
| +90 | トルコ |
| +91 | インド |
| +92 | パキスタン |
| +93 | アフガニスタン |
| +94 | スリランカ |
| +95 | ミャンマー |
| +960 | モルディブ |
| +961 | レバノン |
| +962 | ヨルダン |
| +963 | シリア |
| +964 | イラク |
| +965 | クウェート |
| +966 | サウジアラビア |
| +967 | イエメン |
| +968 | オマーン |
| +970 | パレスチナ |
| +971 | アラブ首長国連邦 |
| +972 | イスラエル |
| +973 | バーレーン |
| +974 | カタール |
| +975 | ブータン |
| +976 | モンゴル |
| +977 | ネパール |
| +98 | イラン |
| +992 | タジキスタン |
| +993 | トルクメニスタン |
| +994 | アゼルバイジャン |
| +995 | ジョージア |
| +996 | キルギス |
| +998 | ウズベキスタン |
このため、「+9から始まる」というだけでは発信元の国を特定できません。
たとえば「+966」ならサウジアラビア、「+971」ならアラブ首長国連邦、「+974」ならカタールというように、「+」の後ろに続く国番号全体を確認する必要があります。
「+9だから危険」というわけではない
ここは非常に重要なポイントです。
「+9から始まる電話番号は詐欺」「+91は危険」「+90は迷惑電話」といった単純な判断は適切ではありません。
海外に家族や知人がいる人、海外企業と取引している人、海外サービスを利用している人などにとって、+9から始まる電話番号から正当な連絡が入ることもあります。
警戒すべきなのは、国番号そのものではなく、心当たりのない電話で不審な要求をされるケースです。
国民生活センターも、海外からの知らない国際電話について、詐欺の可能性があるとして「出ない」「折り返さない」などの対応を呼びかけています。
+9からの電話で特に注意したいパターン
+9に限らず、国際電話からの着信では、次のような内容に注意してください。
未納料金があると言われる
「料金が未納になっている」
「今日中に支払わないと裁判になる」
「サービスを停止する」
などと伝え、支払いを求めるケースです。
電話だけで突然支払いを要求された場合は、相手の指示に従わないようにしましょう。
警察や政府機関を名乗る
「あなたの口座が犯罪に使われている」
「捜査対象になっている」
「本人確認が必要」
などと伝えて、不安をあおるケースにも注意が必要です。
警察庁も、警察官をかたって電話をかけ、相手から指定された番号への折り返しなどを誘導する手口について注意喚起しています。
相手が「警察」「銀行」「政府機関」などを名乗ったとしても、その電話だけで信用してはいけません。
個人情報を聞かれる
次のような情報を聞かれた場合は注意してください。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 電話番号
- 銀行口座情報
- クレジットカード情報
- 暗証番号
- SMSなどで届く認証コード
- マイナンバーなどの個人情報
正当な用件だと思っても、電話口で重要な情報を安易に伝えないことが大切です。
「○番を押してください」と自動音声が流れる
「料金未納について確認する場合は1を押してください」
「オペレーターにつなぐ場合は2を押してください」
などの自動音声が流れる場合もあります。
心当たりのない国際電話であれば、案内に従って番号を押す必要はありません。
そのまま電話を切るのが安全です。
「今すぐ」「今日中」などと急かされる
詐欺では、冷静に考える時間を与えないために、
「今すぐ対応してください」
「本日中に支払わないと逮捕されます」
「電話を切ってはいけません」
などと急かすことがあります。
このような場合は、いったん電話を切り、公式サイトや公式窓口などから自分で確認しましょう。
+9からの電話に出てしまったらどうする?
知らない国際電話に出てしまった場合でも、電話に出ただけで直ちに被害が確定するわけではありません。
不審な内容だと感じたら、次のように対応してください。
- 相手の話を無理に聞き続けない
- 個人情報を伝えない
- 認証コードを教えない
- お金を送らない
- 相手から指定された番号へ折り返さない
- 不審に感じたら電話を切る
- 必要に応じて番号をブロックする
国民生活センターも、心当たりのない国際電話について「出ない」「折り返さない」、出てしまった場合は個人情報を伝えず電話を切るよう案内しています。
不在着信があっても折り返さない
特に注意したいのが、「着信があったから折り返す」という行動です。
知らない国際電話から不在着信があった場合、「誰からだったのだろう」と気になって折り返したくなるかもしれません。
しかし、心当たりがない場合は、基本的に折り返す必要はありません。
電話番号を検索して、正当な相手からの連絡だと確認できた場合でも、着信履歴に表示された番号へそのまま折り返すのではなく、企業などの公式サイトに掲載されている連絡先を利用するほうが安全です。
+9からの迷惑電話を着信拒否する方法
知らない国際電話が繰り返しかかってくる場合は、端末や携帯電話会社が提供する迷惑電話対策を利用しましょう。
スマートフォンでは、機種やOSによって、知らない番号の着信を抑制したり、特定の電話番号を着信拒否したりする機能を利用できる場合があります。
警察庁も、携帯電話について、国際電話番号や知らない電話番号からの着信を無視すること、着信設定を見直すこと、国際電話の着信ブロックが可能なアプリを利用することなどを対策として案内しています。
固定電話なら国際電話の利用休止もできる
普段、海外との電話をまったく利用しない場合は、固定電話などについて国際電話の利用休止を検討する方法もあります。
警察庁は、海外からの電話を利用しない人に対して、国際電話の利用休止を呼びかけています。
固定電話の場合、「国際電話不取扱受付センター」で無料の利用休止手続きができます。
国際電話不取扱受付センター
電話:0120-210-364
警察庁によると、オペレーター案内は平日午前9時から午後5時までです。
また、警視庁も、海外からの電話に心当たりがない場合は、国際電話番号からの電話に出たり、かけ直したりしないよう注意を呼びかけています。海外との電話が不要な場合には、固定電話・ひかり電話の発信・着信を無償で休止できると案内しています。
お金を支払ってしまった場合は早めに相談
もし電話の相手にだまされて送金してしまったり、クレジットカード情報や銀行口座情報などを伝えてしまったりした場合は、放置しないでください。
状況に応じて、次の窓口への相談を検討しましょう。
消費者ホットライン「188」
消費者トラブルについて相談できます。
最寄りの消費生活センターなどにつながります。国民生活センターも、国際電話をめぐるトラブルについて188への相談を案内しています。
警察相談専用電話「#9110」
詐欺などの犯罪被害について相談したい場合は、警察相談専用電話 「#9110」が利用できます。
緊急性がある場合は110番、それ以外の相談については#9110を利用するのが基本です。
警察庁も、国際電話を利用した特殊詐欺への対策として、#9110や188などの相談窓口を案内しています。
迷惑電話対策相談センター「でんわんセンター」
総務省が実施する「迷惑電話対策相談センター(でんわんセンター)」でも相談を受け付けています。
電話:03-6162-1111
国民生活センターによる案内では、受付時間は平日10時~17時です。
+9から始まる電話番号を見たときの確認ポイント
最後に、+9から始まる電話番号から着信があった場合の確認ポイントをまとめます。
1. 「+9」だけで国を判断しない
+9は単独の国番号ではありません。
「+90」「+91」「+92」「+971」など、後ろの数字まで確認する必要があります。
2. 心当たりがあるか確認する
海外の知人、会社、サービスなどから連絡が来る予定があったかを確認しましょう。
心当たりがなければ、無理に応答する必要はありません。
3. 不在着信に折り返さない
知らない国際電話からの不在着信は、基本的に折り返さないようにしましょう。
4. 個人情報を伝えない
電話の相手が企業や警察などを名乗ったとしても、重要な個人情報や認証コードを電話で伝えないことが重要です。
5. お金を要求されたら特に警戒する
銀行振込、電子マネー、暗号資産、ギフトカードなどによる支払いを要求された場合は、詐欺を疑ってください。
6. 不安なら第三者に相談する
一人で判断せず、家族や消費生活センター、警察などに相談しましょう。
まとめ:+9は危険な番号ではなく、心当たりのない国際電話に注意
「+9から始まる電話番号」は、特定の1か国を意味するものではありません。
+90はトルコ、+91はインド、+92はパキスタン、+93はアフガニスタン、+94はスリランカ、+95はミャンマー、+98はイランなど、さまざまな国・地域の国番号が+9から始まっています。
また、+966はサウジアラビア、+971はアラブ首長国連邦、+972はイスラエル、+974はカタールなど、3桁の国番号もあります。
そのため、「+9だから詐欺」「+9だから危険」と判断するのではなく、電話の内容や相手の要求を確認することが重要です。
特に、
- 心当たりのない海外からの電話
- 未納料金などを理由にした支払い要求
- 警察や公的機関を名乗る電話
- 個人情報や認証コードの要求
- 自動音声による操作の要求
- 「今すぐ対応しろ」と急かす電話
- 不在着信から折り返しを促すケース
などには注意してください。
国民生活センターや警察庁も、心当たりのない国際電話には出ない、折り返さない、個人情報を伝えないといった対策を呼びかけています。
海外との電話を利用していない場合は、固定電話の国際電話利用休止などを利用するのも有効な対策です。
+9という数字だけで危険性を判断するのではなく、「知らない番号からの電話には慎重に対応する」という基本を守ることが、国際電話を利用した迷惑電話・特殊詐欺から身を守るポイントです。

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