スマホの画面に見知らぬ「+92」から始まる電話番号からの着信。
「どこの国からの電話?」
「心当たりがないけれど、出ても大丈夫?」
「折り返した方が良い?」と不安になって検索された方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、「+92」は南アジアにある「パキスタン」の国際国番号です。
しかし現在、この「+92」から始まる番号を使った、日本国内での自動音声詐欺やニセ警察詐欺が社会問題化しています。心当たりのない着信には不用意に出ず、折り返し電話もしないよう注意が必要です。
この記事では、「+92」の電話番号の仕組みや、巧妙化する詐欺の手口、万が一電話に出てしまった場合の正しい対処法を分かりやすく解説します。
【重要】着信履歴を開いた・電話に出てしまった方へ
ネット検索では「+92からの電話に出てしまった」「不在着信が残っていた」と慌てて調べる方が非常に多いです。 結論から言うと、着信履歴があっただけ、あるいは電話に出てすぐに切っただけなら、慌てる必要はありません。
以下のチェックリストがすべて「YES」であれば、実害が生じる可能性は低いでしょう。
安心チェックリスト
- [ ] 折り返し電話(かけ直し)をしていない
- [ ] 自動音声の指示に従ってボタン(「1」など)を押していない
- [ ] オペレーターに名前や住所、口座情報を話していない
- [ ] 指定された口座にお金を振り込んでいない
この場合は、その番号をブロック(着信拒否)して終了で大丈夫です。
「+92」から始まる電話番号の仕組み
そもそも「+92」から始まる番号とはどのようなものなのでしょうか。国際的な仕様と、なぜ日本人に届くのかを解説します。
パキスタンの正規番号
「+9」から始まる国番号は、主に南アジアや中東などに割り当てられています。その中で「+92」はパキスタンの国番号です。
国際表記(+92から始まる形)にする場合、パキスタンの携帯電話番号は「+92」の後に9桁の数字が続くのが正しい仕様となっており、形式としては完全に正規の電話番号形式です。
なぜパキスタンから?「電話番号偽装」の可能性
パキスタンに知り合いがいないのに電話がかかってくるのは、詐欺グループが「電話番号偽装(スプーフィング)」という技術を悪用している可能性が考えられます。
海外の通信網やインターネット電話サービス(VoIP)などを悪用することで、発信元を「+92」などの国際電話に見せかけ、日本の警察の追跡を逃れようとする手口です。実際にパキスタン人があなた個人を狙っているわけではなく、詐欺グループが日本国内に向けてシステム等で機械的に一斉発信していると考えられます。
「+92 302」は危険な番号なの?
ネット上では「+92 302」から始まる番号で検索する人が非常に増えています。
「+92 302」は、パキスタンの携帯電話に使用されている番号帯(モバイルネットワークコード)です。そのため、番号の規格そのものが危険という意味ではありません。
しかし実際には、先述した電話番号偽装(スプーフィング)によって、日本の詐欺グループなどがこの番号帯を悪用して発信しているケースが確認されています。「+92 302」から始まる見知らぬ番号からの着信には、十分注意しましょう。
近年急増している「2大詐欺手口」
現在確認されている、「+92」から始まる番号を使った主な詐欺手口は以下の2つです。
手口1:自動音声詐欺(郵便局、税関、厚生労働省など)
電話に出ると、人間の声ではなく機械的な「自動音声(ガイダンス)」が流れるタイプです。
- 日本郵便(郵便局): 「重要なお荷物をお預かりしています。確認は1番を押してください」
- 税関: 「海外からの未認可の荷物、または違法薬物が届いています。詳細を確認するには9番を押してください」
- 厚生労働省: 「医療費の過払い金があります」「保険証の不正利用の疑いがあります」
このように公的機関や有名企業を騙り、「1番を押してください」などと操作を指示して「不審なオペレーター」へと繋ぎ、最終的に個人情報や金銭を騙し取ろうとします。
手口2:ニセ警察詐欺(劇団型詐欺)
最初から警察を名乗る人物が掛けてくるケースです。警察官や検察官を名乗る人物が登場します。
- 「あなたの名義の口座が、資金洗浄(マネーロンダリング)などの犯罪に悪用されている」
- 「あなたに逮捕状が出ている。身の潔白を証明するためには、指定する『安全な口座』にお金を全額移す必要がある」
などと言って脅し、冷静な判断力を奪ってお金を振り込ませる非常に悪質な手口です。
状態別・やってしまった場合の正しい対処法
「うっかり電話に出て、〇〇してしまった…」という場合でも、段階に応じた正しい対処法を取れば被害を最小限に抑えられます。
① 電話に出てしまった場合
- 対処法: 相手が話し途中であっても、即座に電話を切ってください。
- 単に電話に出て声を聞いた(あるいは自分の声を一言発した)程度であれば、それだけでスマホがウイルスに感染したり、個人情報が抜き取られたり、金銭的被害が発生するリスクは低いと考えられます。
② 音声ガイダンスに従って番号を押してしまった場合
- 対処法: 番号を押した後にオペレーターに繋がったとしても、何も話さずにすぐ電話を切ってください。
- ボタンを押しただけなら、すぐに実害が出るわけではありません。ただし「騙されやすい人(カモリスト)」として認識され、今後迷惑電話が増える可能性があるため、以降は不審な電話は一切無視しましょう。
③ 不審なオペレーターに個人情報を話してしまった場合
氏名、住所、生年月日、またはクレジットカード番号や銀行口座などを伝えてしまった場合の対応です。
- 対処法(口座・カード情報の場合): すぐに該当の銀行やクレジットカード会社へ連絡し、「詐欺電話に情報を流してしまった」と伝えて、カードの利用停止や口座の凍結・暗証番号の変更を行ってください。
- 対処法(住所・氏名の場合): 今後、別の詐欺グループから「荷物の代引き詐欺」や「更なる勧誘」が届くリスクがあります。見知らぬ訪問者や郵便物には毅然と対応し、少しでも怪しいと感じたら後述の相談窓口へ連絡してください。
④ お金を振り込んでしまった場合
- 対処法: 一刻を争います。すぐに警察(#9110または110番)および、振り込んでしまった先の銀行へ連絡してください。
- 「振り込め詐欺救済法」に基づき、犯人の口座を迅速に凍結できれば、一部または全額のお金が戻ってくる可能性があります。
相談窓口
不安な場合や実害の恐れがある場合は、以下のしかるべき窓口へ相談してください。
- 警察相談専用電話(#9110): 全国共通の警察相談窓口です。事件性が高い場合はすぐに110番通報をしてください。
- 消費者ホットライン(188): 「いやや!」と覚える、身近な消費生活センター等に繋がる窓口です。お金を支払う前の段階でのトラブル相談にも応じてくれます。
よくある質問(FAQ)
- Qパキスタンに知り合いはいないのに、なぜ自分の番号を知っているのですか?
- A
詐欺グループがコンピューターを使い、ランダムに作った電話番号へ機械的に大量発信(総当たり攻撃)しているケースがほとんどです。あなたの個人情報が特定されてかかってきているわけではないケースが多いので、過度に怖がる必要はありません。
- Q「+92」からの不在着信に折り返し電話をするとどうなりますか?
- A
絶対に折り返さないでください。高額な国際通話料金をだまし取られる「国際ワン切り詐欺」や、詐欺グループによる誘導(別の詐欺への引き込み)に利用される可能性があります。
- Q対策として有効な設定はありますか?
- A
「国際電話の着信拒否設定」や「防犯アプリ」が有効です。 固定電話であれば、国際電話の発着信を休止する手続き(国際電話不取扱受付センターへの申し込み)が有効です。スマホであれば、「Whoscall(フーズコール)」などの迷惑電話ブロックアプリを導入するか、端末の設定で「連絡先以外の着信を拒否する」設定にしておくと安心です。
参考情報・公的機関の案内
国際電話を発信元とした特殊詐欺については、以下の公的機関でも連日のように注意喚起が行われています。最新の手口については、こちらも併せてご確認ください。
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まとめ
「+92」から始まる国際電話の正体はパキスタンの国番号ですが、その多くは日本の公的機関(郵便局・税関・警察など)を騙るフィッシング・特殊詐欺の電話です。
- 「+92」や「+92 302」はパキスタンの番号帯(ただし番号偽装の可能性大)
- 自動音声やニセ警察の脅しには絶対に耳を貸さない
- 着信があっても「出ない」「折り返さない」を徹底する
万が一電話に出てしまった場合でも、ボタンを押したり個人情報を話したりしていなければ、実害が生じる可能性は低いでしょう。怪しい国際電話は徹底して「無視」を貫き、安全にスマートフォンや固定電話を利用してくださいね。
免責事項
本記事は一般的な注意喚起および情報提供を目的として作成しています。掲載している電話番号の形式や事例は確認された情報をもとに紹介しており、特定の国や通信事業者の違法行為を断定するものではありません。詐欺の手口や特徴は日々変更される場合があります。実際の対応についてはご自身の判断で行い、金銭被害等が発生した場合は速やかに警察などの関係機関へご相談ください。
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