2025年5月現在、全国的に「中国大使館からの重要なお知らせ」などを名乗る不審な国際電話が相次いで報告されています。
主に在日中国人や観光で訪れている中国人を狙った詐欺と見られますが、日本人にも関係ない話ではありません。
今回は、詐欺の手口、使われている番号、対策方法について詳しく解説します。
■ 詐欺電話の内容と特徴
この詐欺電話は、以下のような自動音声ガイダンスから始まります。
- 「中国大使館からのお知らせです」
- 「中国大使館からの大切なお知らせです」
- 「中国大使館からの重要なお知らせです」
その後、音声は中国語に切り替わります。
これらの電話は中国大使館とは一切関係ありません。詐欺の可能性が極めて高いため、絶対に応答しないでください。
■ 使用されている不審な国際電話番号と国番号
報告されている電話番号の一部と、使用されている国際電話の国番号(+80台、+90台)は以下の通りです。
電話番号 | 国番号 | 割当国または用途 |
---|---|---|
+8015888894 | +80 | 未割り当て |
+8027314652 | +80 | 未割り当て |
+8058418489 | +80 | 未割り当て |
+8058913302 | +80 | 未割り当て |
+8090955721 | +809 | ドミニカ共和国 |
+8098889075 | +809 | ドミニカ共和国 |
+9073310263 | +90 | トルコ |
特に+80台の番号は未割当であるにもかかわらず利用されているケースが多く、これは「スプーフィング」と呼ばれる手口の疑いがあります。
■ スプーフィング(Caller ID Spoofing)とは?
スプーフィングとは、発信者番号を偽装して、別の電話番号を表示させる手口です。
この技術を使えば、まるで「中国大使館」や「国内の電話番号」からの着信のように見せかけることができます。
表示された電話番号が信用できるものでも、発信者が本物とは限りません。
これにより、信頼させた上で、個人情報や金銭をだまし取る詐欺が行われています。
■ 被害事例と想定される詐欺パターン
この種の電話は、主に在日中国人をターゲットとしているとみられていますが、日本人にも被害の可能性があります。
過去の電話による詐欺の事例では、以下のような誘導が報告されています。
- 「あなたの口座が犯罪に利用されている」
- 「あなたの携帯電話から大量の迷惑メールが送信された」
- 「逮捕状が出ている。〇〇警察署に出頭してください」
- 「指示に従ってアプリをインストールしてください」
さらには、日本の警察を名乗って電話をかけてくる人間による詐欺も報告されています。
例:「△△県警の〇〇です。□□さんの携帯電話でお間違いないでしょうか?」
これらのケースでは、詐欺グループに自分の本名や住所が知られている場合があり、個人情報流出の可能性も指摘されています。
■ 固定電話の国際電話着信をブロックする方法
NTT東日本・西日本などでは、「国際電話不取扱受付センター」という無料のサービスを提供しています。
このサービスに申し込むことで、固定電話(加入電話・ひかり電話)での国際電話の発信・着信をすべてブロック(拒否)できます。
▶ 国際電話不取扱受付センター
- 電話番号:0120-210-364
- 受付時間:平日 9:00~17:00
■ スマートフォンの場合の対策
スマホでは、迷惑電話対策アプリの活用が効果的です。
推奨アプリ(一例)
- Whoscall:迷惑電話をリアルタイムで警告
- トビラフォンモバイル:スパム着信を自動遮断
また、Android端末や一部iPhoneでは、設定から「非通知・国際番号の着信をブロック」することも可能です。
■ 正規機関は自動音声で連絡してこない!
- 中国大使館・領事館
- 日本の警察・法務省・入国管理局など
これらの正規の公的機関が、自動音声で個人に直接連絡を取ることは基本的にありません。
もし不安を感じた場合は、正規の公式サイトに記載された電話番号に自分で確認しましょう。表示された着信番号には絶対に折り返しをしないでください。
■ まとめ:知らない国際電話には絶対に出ない・折り返さない!
- 「中国大使館からのお知らせ」を名乗る自動音声の国際電話は詐欺の可能性大
- 表示番号が信用できても、スプーフィングによる偽装の可能性あり
- 固定電話は「国際電話不取扱受付センター」で無料ブロック(着信拒否)可能
- スマホには迷惑電話対策アプリを導入しよう
- 少しでも怪しいと思ったら、出ない・折り返さない・個人情報を話さない
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