最近、「法務省入国管理局」を名乗る国際電話詐欺が全国的に増加しています。この詐欺は、自動音声ガイダンスを使って不安をあおり、言語選択を促すことで、最終的に詐欺オペレーターへ誘導しようとする手口です。
■ 詐欺電話の自動音声メッセージ(例)
「お使いの言語が中国語の場合は9を押してください。カスタマーサービス担当者が対応いたします。こんにちは。法務省入国管理局です。この局に重要なお知らせがあります。普段お使いの言語が日本語の場合は8を押してください。普段お使いの言語が中国語の場合は9を押してください。カスタマーサービス担当者が対応いたします。」
このような不自然な自動音声ガイダンスは、公式機関の電話ではありえません。
■ 使用されている発信番号一覧(確認されているもの)
(番号は小さい順に並べています)
- +8010171577
- +8013927154
- +8015376120
- +8022177061
- +8024866478
- +80580639164
■ 国番号「+80」とは?― 該当国なしの怪しい番号帯
電話番号の「+」から始まる数字は国際電話番号(国番号)であり、通常はどの国から発信されたかを示しています。
● +80はどこの国?
結論から言うと、「+80」という国番号に該当する国は存在しません。
これは国際通信を管理するITU(国際電気通信連合)の番号割り当てにも記載がなく、正式な国には割り当てられていない番号帯です。
では、なぜ(+80)の電話がかかってくるのか?
● なぜ+80を使うのか?
- 実在する国番号(例:+81日本、+82韓国、+86中国)に数字を似せて偽装し、信頼性を装う
- インターネット回線を使ったVoIP電話(IP電話)などで偽造番号が使える仕組みを悪用
- 「海外からの電話」として日本のユーザーに緊張感や不安を与える
- 海外の電話番号にすることで、日本の警察の捜査を難しくしている
つまり、「+80」で始まる番号は、ほぼ間違いなく詐欺やスパムの可能性が高いと見て差し支えありません。
■ 対策:固定電話・ひかり電話なら海外からの着信をブロック可能!
海外からの着信に不安がある方は、「国際電話不取扱受付センター」への申し込みで、海外からの電話を着信拒否にできます。
● 国際電話不取扱受付センター
- 電話番号:0120-210-364(通話料無料)
- 受付時間:9:00~17:00(土日祝除く)
- 対象:NTTの固定電話・ひかり電話
海外に知人・家族がいない方には特におすすめです。
■ 詐欺の被害にあわないために
- 知らない国番号からの電話は出ない・折り返さない
- 自動音声で「〇を押してください」は基本的に詐欺を疑う
- 不安を煽る言葉(重要/緊急/確認が必要)に惑わされない
- 必ず公式の連絡先を自分で調べて確認する
■ まとめ
「+80」で始まるような該当国のない国番号からの電話には特に注意が必要です。今回のような詐欺電話は、外国人をターゲットにした手口である可能性もあります。自分だけでなく、家族や高齢者の方々にも情報を共有し、詐欺の被害を未然に防ぎましょう。
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