「厚生労働省から、保険証が止まると電話が来た……」
突然そんな連絡を受けたら、誰でも不安になりますよね。
現在、「マイナ保険証や健康保険証がまもなく利用停止になる」と告げる自動音声ガイダンスの不審な電話が報告されています。
「最終のご案内」という強い言葉で不安や焦らせ、ボタン操作を促し、最終的に“担当職員”を名乗る人物へつなぐ。それが一連の流れです。
この記事では、実際に報告されている音声内容と手口の特徴、そして冷静に対処するためのポイントを整理します。
1. 巧妙な音声ガイダンスの実例
最近報告されている音声の一例です。
「厚生労働省からの重要なお知らせです。マイナ保険証および健康保険証はまもなく利用停止となります。これまでに何度もこちらの電話番号へご連絡いたしましたが、繋がらなかったため、本通知が最終のご案内となります。内容をご理解いただけましたら、1を押してください。詳細をご確認になりたい場合は2を押してください」
一見すると非常に丁寧で、公的機関らしい言い回しです。最近はAI音声の精度も高く、機械的な違和感が少ないケースもあります。
なお、厚生労働省を名乗る自動音声ガイダンスは、複数種類が確認されています。まったく同じ機械音声が流れるとは限りません。共通しているのは、「〇(数字)を押してください」と案内される点です。
ここが不自然
- 「最終のご案内」という強い表現
焦りを生じさせ、冷静な判断を鈍らせます。 - 「何度も連絡した」という説明
実際には心当たりがないケースがほとんどです。 - 1でも2でも進む仕組み
どちらを押しても、最終的にはオペレーター役につながる構造とみられています。
実際に電話を受けた方の中には、「本当に保険証が止まるのでは」と心配になったという声もあります。制度変更の話題が多い時期ほど、不安を突く手口は効果を発揮してしまいます。
2. ボタンを押すとどうなる?偽オペレーターの流れ
ガイダンスに従って番号を押すと、「厚生労働省の職員」を名乗る人物に代わるケースが報告されています。
想定される流れは次の通りです。
- 本人確認と称して個人情報を聞き出す
名前、生年月日、住所など - 保険料の未納があるなどと説明する
- 支払い方法を指定する
電子マネーや振込などを求められる事例もあるとされています
最初に自動音声で“公的機関らしさ”を演出し、その後に人が出て信頼させる。二段構えの構造が特徴です。
3. なぜこの電話は不自然なのか
公式情報を確認すると、違和感がはっきりします。
厚生労働省は公式サイトで「職員や機関を装った不審な電話・メールに注意するよう」呼びかけています。
同ページでは、
厚生労働省及び地方厚生(支)局から、直接国民の皆様にお電話を差し上げることはありません。
と明記されています。
また、行政手続きに関する重要な通知は、原則として書面(郵送)などの正式な方法で行われます。
さらに、
- 電話でボタン操作を求める運用は通常想定されていません
- 電話でマイナンバーや口座の暗証番号を聞く運用も通常想定されていません
と考えられます。
こうした公式見解や一般的な運用を踏まえると、突然の自動音声で「利用停止」と告げられること自体が極めて不自然といえます。
【もし不安なら】自分の保険証の状態を正しく確認する方法
自動音声で「利用停止」と言われると、たとえ怪しいと思っても「万が一、本当に手続きが漏れていたら……」と不安がよぎるものです。 しかし、詐欺電話の指示に従う必要はありません。自分の保険証が有効かどうかは、以下の「公式な方法」でいつでも安全に確認できます。
- マイナポータルで確認する(おすすめ) スマートフォンやパソコンから「マイナポータル」にログインし、「注目の情報」や「健康保険証」のメニューから、現在の資格情報が有効かどうかをリアルタイムで確認できます。これが最も確実で早い方法です。
- お住まいの市区町村の窓口へ問い合わせる 国民健康保険の方は役所の保険年金課、職域保険の方は勤務先の担当部署や健康保険組合の窓口へ直接問い合わせてください。
- 医療機関・薬局の受付で確認する 次に受診した際、受付のカードリーダーにマイナ保険証を通せば、その場で有効かどうかがわかります。
「電話で言われた指示」ではなく、必ず「自分から公式ルートへアクセス」して確認することを徹底しましょう。
5. もし電話がかかってきたら(対処法)
① そのまま切る
少しでも違和感があれば、操作せずに通話を終了しましょう。
② ボタンを押さない
「1を押してください」と言われても反応しないことが重要です。
③ 折り返さない
着信履歴があっても、自分からかけ直す必要はありません。
④ 不安なら公的窓口へ確認
- 警察相談専用電話:#9110
- 消費者ホットライン:188(局番なし)
不安なままにせず、公式窓口に相談することが安心につながります。
まとめ
「マイナ保険証が利用停止になる」という自動音声電話は、現時点で報告されている事例では詐欺が強く疑われる手口です。
滑らかな音声や丁寧な言い回しでも、
“急がせる・押させる・不安にさせる” がそろっている場合は特に注意が必要です。
まずは落ち着くこと。
そして「出ない・押さない・折り返さない」を徹底すること。
ご家族、特に高齢の方ともぜひ情報を共有してください。
冷静な判断が、最大の防御になります。
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参照・出典
- 厚生労働省|厚生労働省職員や機関を装った不審な電話・メールにご注意ください。
- 秋田県湯沢市|「厚生労働省」や「保険局」を名乗る不審電話にご注意ください!
- 京都市|厚生労働省職員を名乗る不審電話に関する注意喚起
免責事項
本記事は、2026年時点で公開されている情報や報道、行政機関の公表内容等をもとに作成しています。内容の正確性・完全性・最新性については可能な限り配慮しておりますが、そのすべてを保証するものではありません。
記事内で紹介している事例や手口は、確認されている報告に基づくものであり、今後同様の手口が変化・多様化する可能性があります。特定の電話番号や文言が常に同一の結果をもたらすことを断定するものではありません。
本記事は一般的な注意喚起および情報提供を目的としたものであり、法的助言・行政判断・個別具体的な対応を示すものではありません。実際に不審な電話を受けた場合や被害が疑われる場合は、必ず公的機関の公式発表をご確認のうえ、警察や消費生活センター等の相談窓口へご相談ください。
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