最近、「+89」から始まる不審な国際電話からの着信に関する報告がSNS(X/Twitter)で増えています。
見覚えのない番号に不安を感じた方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、「+89」という国番号は存在せず、このような番号を使った電話は詐欺目的の可能性が非常に高いとされています。
+89の国番号は存在しない
国際電話に使われる国番号は、国際電気通信連合(ITU)が管理しており、すべての番号は正式に割り当てられています。しかし「+89」という国番号は、現在どの国にも割り当てられていません。
したがって、+89から始まる番号を名乗る電話は、本来ありえない番号であり、意図的に偽装されたもの(スプーフィング)と考えられます。
スプーフィングとは何か?
スプーフィングとは、電話の発信元番号を別の番号に偽装する技術です。
本来は企業が正規の番号に統一する目的などに使われる技術ですが、近年では犯罪グループが悪用し、実在しない国番号や信頼されやすい番号に偽装することで、受信者を混乱させたり信頼させたりする手口が横行しています。
よくある詐欺のパターン
+89のような不審な番号からの電話では、以下のような詐欺の手口が報告されています。
- 「あなたのスマートフォンが犯罪に使用された可能性がある」などと脅す
- 「通信回線に異常がある」「名義が不正利用されている」などと不安を煽る
- 警察・通信会社・銀行などを名乗り、金銭や個人情報の提供を要求
- LINEのビデオ通話に誘導し、逮捕状のようなものを見せてくる
これらはすべて、個人情報や金銭の詐取を狙う典型的な手口です。
不審な電話がかかってきたときの対処法
1. 出ない・折り返さない
知らない国際番号からの電話には出ないのが最も安全です。仮に着信履歴が残っていても、絶対に折り返し電話をしないようにしてください。高額な国際通話料金が発生したり、さらなる詐欺へ誘導されるおそれがあります。
2. 番号を調べて記録する
+89のように「見慣れない番号」はすぐにインターネットで検索を。SNSや掲示板で同様の被害報告がされている場合があります。
3. 電話番号をブロックする
スマホの「着信拒否機能」や迷惑電話アプリ(Whoscall・電話帳ナビ)などを使って、今後同じ番号からの着信がないように設定しましょう。
電話に出てしまった場合の注意点
誤って電話に出てしまった場合でも、冷静に対応することが重要です。
- 相手の指示に従わない
- 個人情報(名前、住所、口座番号など)を絶対に伝えない
- 少しでも怪しいと感じたら即座に通話を終了する
不安な場合は、家族や消費者ホットライン(188)、または警察に相談してください。
迷惑電話を報告するには
- 各携帯キャリア(docomo、au、SoftBankなど)の迷惑電話報告サービスを活用しましょう
- 国民生活センターや総務省の公式サイトでも、不審な国際電話やスプーフィングに関する注意喚起が行われています
FAQ
Q. +89は本当に存在しない国番号ですか?
はい、2025年7月現在、+89という国番号は存在せず、公式にはどの国にも割り当てられていません。
Q. スプーフィングされた電話に出ただけで危険ですか?
出たこと自体では被害に直結しませんが、「使われている番号」として記録され、後日さらに詐欺の対象になるリスクがあります。
Q. 不審な国際電話を防ぐ方法は?
スマートフォンの着信拒否設定や、迷惑電話対策アプリを使うことで一定の予防が可能です。
免責事項
本記事の内容は、一般的な注意喚起と情報提供を目的としています。
実際の被害や特定の事件に関する法的責任は負いかねますので、必要に応じて公的機関にご相談ください。情報は2025年7月現在のものです。
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