2025年5月現在、「080」から始まる携帯番号から法務局や入国管理局(入管。現在は、出入国在留管理庁となっています)を名乗る自動音声ガイダンスによる詐欺電話が急増しています。
この詐欺は、日本国内に住む外国人や高齢者を狙っており、不安をあおる内容でダイヤル(プッシュボタン)で言語選択(日本語は1、中国語は2)をさせたあと、個人情報を聞き出したり金銭をだまし取る手口が特徴です。
今回はこの手口の詳細と対策方法をわかりやすく解説します。
詐欺電話の内容:行政機関を装い不安をあおる
報告されている詐欺電話の内容は、以下のようなものです。
- 「受理されてない書類ある」
- 「書類不備のため」などといった後
- 「日本語をご希望の方は1を、中国語は2を押してください」
これらは、自動音声ガイダンス(機械音声)で再生され、あたかも公式な行政連絡のように思わせる巧妙なつくりになっています。
ポイントは「言語選択」への誘導
「1」や「2」を押すことで、詐欺グループに通話がつながります。日本語または中国語で対応し、個人情報の提供や送金を要求するなどの被害に発展することがあります。
実際に使われている電話番号の特徴
特に注意したいのは、080などの携帯電話番号からかかってくる点です。
本物の法務局や入国管理局(現在は、出入国在留管理庁)が、一般の携帯電話番号を使って連絡してくることは絶対にありません。しかも、行政機関が自動音声のみで重要な内容を一方的に伝えることもありません。
なぜこの詐欺が増えているのか?
この詐欺は、以下のような人たちをターゲットにしています。
- 日本に住む外国人(特に中国語圏の人)
- スマホ操作に不慣れな高齢者
- 「役所からの電話」に対して不安を感じやすい人
入国手続きや書類手続きに不安を抱えている人にとって、「法務局」「入国管理局」という名前はとても強いインパクトがあります。それを悪用し、緊急性を装って冷静な判断力を奪うのが詐欺の常套手段です。
被害を防ぐための対策
このような電話を受けた場合、以下の対応を徹底してください。
1. 「1」や「2」を押さない
操作を促されても絶対に押さないでください。それだけで詐欺グループに電話が繋がる可能性があります。
2. すぐに電話を切る
不審な内容だと感じたら、迷わず電話を切りましょう。
3. 相手の番号を着信拒否に登録
「080」などからの不審な番号は、スマホの設定でブロックしましょう。
4. 公的機関に直接確認する
「本当に問題があるのか?」と不安な場合は、自分で法務省や出入国在留管理庁の公式サイトに記載されている電話番号に連絡を取りましょう。
5. 警察や消費生活センターに相談
被害に遭いそうになった、または情報を伝えてしまった場合は、最寄りの警察(#9110)や消費者ホットライン(188)にすぐ相談してください。
まとめ:冷静な対応が何よりの防御
080から始まる番号から「法務局」「入国管理局」などを名乗る自動音声電話は、明らかに詐欺です。
公式機関はこのような形で個人に連絡を取ることはありません。不安をあおられても、一度冷静になって対応することが大切です。
被害にあわないためにも、この情報を家族や知人、特に外国人の方や高齢者の方と共有しておきましょう。
コメント